心理占星術とは

心理占星術家nico

心理占星術の世界へようこそ

自分を生き直すための新しい物語


占星術を学び始めたとき、惑星やサインの名前、記号などに胸をときめかすとともに、とても強い違和感を覚えました。

「水瓶座のあなたは○○な人です」
「4ハウスに太陽を持つあなたは○○な人です」
「月と土星の90度を持つ人は○○な人です」

どの本を手にしても、またどの占星家の話を聞いても、似たり寄ったりの解釈ばかり。

当たっているのか、いないのか。

「太陽系という壮大な装置を学んだところで、結局、教えてもらえることは性格の傾向だけなのか…」と、肩透かしに合ったような気分になったことを思い出します。

コピペのような占いテキストに自分の運命を委ねるのはまっぴらですし、ましてや判を押したような占いの表現に自分をあてはめたいわけでもない。

せっかく「私」という唯一無二の存在として生まれてきたからには、既存の象徴の中に個人を押し込めるのではなく、個人を個人らしく活かすためのツールとして占星術を使っていけばいいのではないだろうか。

目の前のホロスコープの持ち主によりふさわしい象徴を、もっと自由に選択してもいいのではないか。

そのような疑問を抱えていたところに、心理占星術との出会いがありました。

nico の考える心理占星術とは

形骸化した象徴に個人をあてはめるのではなく、“今”を生きている人に対し、もっともふさわしい“今”の生きた象徴を提案していくことが大切です。

古典派と呼ばれている人たちの中には、トランスサタニアンをチャートに取り入れるだけで目くじらを立てたり、象徴を自由に解釈することに対し怒りをあらわにする人もいるようです。しかし、今は探査機が冥王星を超え、太陽系外まで行く時代。そんな時代に、古い象徴に縛られ、既存の意味に個人を押し込めること自体、時代錯誤といえるでしょう。

プトレマイオスなど古代の占星術家は、その時代の最先端を行っていた人たちでした。天文学、自然科学はもちろん、医学、地質学などあらゆる学問の最先端を担う人物であり、つまり占星術は古典ではなく最先端の技術であったのです。

そこで、nicoの心理占星術では、“今”を生きる人にふさわしい象徴とはどのようなものかを再考し、それをしっかり言語化していくことを目標としています。

そうした理解が進むことで、「あなたは○○な人です」という狭義的な意味から個人を解放し、もっと自由に個人の能力や特異性*、未来の可能性を広げることができるようになります。

nico の心理占星術の学びが目指すところ、それは、


● 自分自身を理解し、自分そのものを生きる勇気と喜びを得ること

● 自分らしく存在し、 最良の自分=well-being を生きること

● 自分の明るい側面——能力や魅力——だけではなく、暗い側面——過去の失敗、弱点、コンプレックス——を価値や特異性として受け止めること

「あなたは○○な人です」で満足するのではなく、○○な人というエネルギーを使うことで、私の太陽系は何ができるのか、何をしようとしている人なのかを明らかにしていく。

繊細な人であれば、繊細な人というエネルギーを使うと将来どんなことができるのだろうか、どんな工夫をすれば、自分をのびのびと感じ、生きていけるのかを考えていく。

ネガティブに感じる性質や過去の経験を、むしろ価値や特異性、武器として受け止め、自分自身の存在の力に変えていく。

心理占星術の持っている構造、知識体系を最大限利用することができれば、人々は唯一無二の存在として自分自身を喜び、大切にできるのではないでしょうか。

心理占星術の現場ー占い師ではなくカウンセラーを目指す

nicoの心理占星術は、心理カウンセリングと占術を融合させ、以下の3つを目標に掲げています。


① クライアントの人間的成⾧をサポートするアドバイス
② クライアントが自律的に社会生活を送るためのアドバイス
③ クライアントが人生で遭遇する諸問題に対し、自力で予防、解決する力をつけるためのアドバイス

つまり、クライアントの人生を肩代わりすることも、人生の苦しみや悲しみを引き受けることもできない、あくまでもクライアントのサポート役に努めること。そして、クライアント自身が自分の力で自分の人生の大切な決断ができるよう促すカウンセラーとなることを目指します。

実際に、心理占星術のカウンセリングを体験された皆さんは、口をそろえて、「まさに、私もそのように思っていました」「私の言いたかったことを代弁してくれた感じがします」とおっしゃいます。

カウンセラーは、ホロスコープに示された象徴を一方的に伝えるのではなく、個人の中に既にあるもの——個人の目指しているテーマ、抱えている問題、欲求——を言語化し、「そうです、それはいつもあなたの中にある欲求なのですよ」と伝えるのです。

このような分析をすることで、「私は間違っていなかった」「私の考えでよかったんだ」という確認ができ、それがクライアント自身の自信になります。

通常の占いの館のように、占い師にスポットが当たることはありませんし、クライアントのポジティブな変化が占い師の手柄になることもありません。

心理占星術の現場は、クライアントとの共同作業。一緒につくり上げていくことに面白さがあるのです。


また、もうひとつ私が大切にしている心理占星術の考え方に、「善悪の判断をしない」というものがあります。

通常の占星術では、金星や木星は吉星、火星や土星は凶星というように、良い悪いのジャッジによるホロスコープ(チャート)診断をします。また、天体との位置関係による吉凶――90度は悪く、120度は良いというような判断がなされます。

しかし、心理占星術では、いかなるチャートに対しても善悪の判断をすることはありません。なぜなら、「人間万事塞翁が馬」にあるように、人の人生は刻々と移りゆくものだからです。

良いときもあれば悪いときもある。
報われない苦労だと思えたことが、のちの輝きを生むこともある。

そのため、心理占星術では一つ一つの現象に一喜一憂せず、人生を長い目で見る視点を持つこと、苦労を苦労と、不幸を不幸と捉えるのではなく、出来事を変化や成長の機会と受け止める。そのような態度や姿勢を持つことも学びのひとつとなります。

ホロスコープを書き換え、古い自分と決別しよう

「柔軟サインが多いから飽きっぽいんです」
「土星のアスペクトが多いから、仕事や役割に苦手意識があるんです」
「今、私のネイタルチャートの太陽の上を冥王星が行ったり来たりしているから、ずっと調子が上がらないんです」

こうしたクライアントの語り慣れた言葉、語り尽した話題、繰り返される物語…
実際、占星術の象徴には、そういった傾向をつくり出す麻薬的な怖さがあります。

同じ記憶、同じ不安、悩みを何度も繰り返し語り続け、その語りのつくった”轍(わだち)”から本人自身が抜け出せなくなってしまっている人を、占星術を学んでいる人の中に本当に多く見かけます。

占星術の象徴は、個人がよりよい人生に向かっていくための解決策を教えてくれるものです。天体の機能を調整し、よりよく使う訓練の機会を提供するものであり、人生がうまくいかないことの言い訳に利用するものではありません。

nicoの心理占星術では、心理学者の河合隼雄氏の言う「クライアントの語りを歌にしない」という考えを大切にし、本人が自分自身でその轍(わだち)から抜け出せるよう、ホロスコープの象徴を書き換えていきます。

歌いなれた歌を手放し、新しい物語を生きる。
古い自分と決別し、その人の本性、本来の自分に合った道を描き直してみる。
そういったことも心理占星術の学びの中で行っていくことになるでしょう。

私のもとには、悩みを抱えた人たちが日々たくさんいらっしゃいます。
中でも、「自分をどう生きたらいいかなわからない」「自分の能力を使って生きていきたいけれど、うまく生きられない」という人々がとても多いのです。

そういう人こそ、ぜひ心理占星術を学んでいただきたいと思っています。

心理占星術の学びは、自分を生き直す体験

 
月から冥王星の10天体の象徴の学びは、私たちに自分の隠れた欲求や願望、やり残したテーマ、恐れや不安の解決策を教えてくれます。

牡羊座から魚座までの12サインの成長プロセスの理解は、私たちにつまづきながらも自分自身になっていくという「ヒーローズジャーニー」の物語を語ってくれることでしょう。

そして、ハウスを学ぶことによって、幼少期の環境によって形成された「仮の私」から個人を解放し、本来の自分になっていく方法を理解することができるようになるはずです。
 
このように、心理占星術の学びは、自分自身を自分に返還する機会、他の誰かや社会に消費されるものではなく、自分自身の王国を築き上げていくための力を取り戻す機会になるのです。

さっそく、心理占星術を学んでみてください。
そして、自分を抑えつけているものの正体、自分の真の欲求、特異性や能力を理解してください。

あなたの太陽系は、あなたが中心になって動かしていくものです。決して、誰かと比べたり、誰かの輝きに圧倒される必要はないのです。

人生には「正解」などありません、さっそく今日から「私」を始めましょう!